金曜日は米国株式市場に新風を吹き込み、目覚ましいパフォーマンスを見せた。連邦準備制度理事会が予想よりも早く金利を緩和するかもしれないとの期待に後押しされ、株式市場は急騰した。4月の雇用増加に関する報告が予想よりも弱かったことがきっかけとなり、投資家の期待が高まった。

ダウ工業株30種平均は450.02ポイント上昇し、1.18%上昇して38,675.68で取引を終えた。負けじとS&P500も1.26%上昇し、2月以来の最高値となる5,127.79で取引を終えた。ハイテク株中心のナスダック総合指数もそれに続き、1.99%上昇して16,156.33で取引を終えた。

市場の楽観論が上昇を後押し

投資家が喜ぶ理由は一つだけではない。4月の非農業部門雇用者数報告によると、米国の雇用者数は17万5000人増加したが、これは経済学者が予測した24万人には届かなかった。この予想外の雇用者数減少と、前月の3.8%から3.9%への失業率の小幅上昇は、雇用市場の冷え込みを示唆している。さらに、賃金の上昇は予想を下回っており、経済の悩みの種となっているインフレ抑制にとってプラスの兆しとなる可能性がある。

金融市場の即時の反応は楽観的だった。10年国債利回りは一時4.5%を下回り、ハイテク大手や金利敏感株を喜ばせた。NVIDIAやAdvanced Micro Devicesなどの企業は3%以上の上昇を見せ、MicrosoftやMeta Platformsなどの大手もそれに続き、それぞれ約2%上昇した。S&Pの情報技術セクター全体は3%上昇した。

出典: CNBC

株価上昇のもう一つの要因は、大手企業の素晴らしい四半期決算報告だ。例えばアップルは、予想を上回る利益とともに1100億ドルという驚異的な自社株買いを発表し、株価が6%近く上昇した。バイオテクノロジー大手のアムジェンも例外ではなく、好業績報告と実験的な肥満治療薬に関する明るいニュースを受けて株価が12%近く急上昇した。

金利引き下げが近づいているか?

雇用統計を受けて先物市場は素早く反応し、トレーダーらは連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ9月にも利下げを行うと予想している。これは11月という当初の予想から修正された。この変化は、経済を支えるためにFRBが金利を引き下げる必要があるかもしれないという見方が高まっていることを裏付けている。

さらに、2月と3月のデータの修正では、当初報告されたよりも22,000件少ない雇用が創出されたことが示され、レジャーやホスピタリティ、建設、政府などのセクターの減速が浮き彫りになった。しかし、ヘルスケアや小売などのセクターは堅調に推移しており、雇用市場はまちまちだが回復力があることを示している。

ジョー・バイデン大統領もこれに同調し、最新のデータは自身の政権下で経済が回復力を持っていることの証だと説明した。大統領は米国経済の継続的な回復と強さを強調し、国が選挙に向かう中で経済の見通しが安定しているという見方を強めた。

労働市場の冷え込みにもかかわらず、連邦準備制度理事会の次の動きは、今後のインフレデータに大きく左右される可能性が高い。予想を上回る企業収益、雇用市場の緩和の兆候、そして金融市場の反応の良さが組み合わさって、米国株が素晴らしい週末を迎えている理由が要約されている。今後を見据えると、金融環境が支えになるとの期待が株式市場の楽観論を刺激し続け、今のところ勢いが続くだろう。