ビットコインにとってここ数週間は不安定な状況が続いていたが、市場観測者によると、マクロ面では状況が好転し始めているという。

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の水曜日の発言はハト派的だと見る向きもある。同議長は、インフレの数字が懸念されるものの、近いうちに金利が上昇する可能性は低いと述べた。

「私の頭の中では『インフレトレード』が沈静化に向かっている」と、仮想通貨ヘッジファンド、レッカー・キャピタルの創設者クイン・トンプソン氏はDLニュースに語った。

「ビットコインは史上最高値から20%以上下落し、ほとんどのデジタル資産はさらに下落しているため、取引可能な地域的な底値に達しているか、非常に近づいていると思う」と同氏は付け加えた。

もし米中央銀行が金利を引き上げていたら、個人や企業の借入コストは高くなるだろう。ビットコインのようなリスクオン投資は、このような状況ではパフォーマンスが悪くなる傾向があり、一方で米ドルは強くなる傾向がある。

連邦準備制度理事会は金利引き上げの考えを却下しただけでなく、金融システム内の通貨量を減らす政策である量的引き締めを予想よりも早く終了すると発表した。

「我々は最良のシナリオにかなり近いものを手に入れた」とジェネシスの元市場分析責任者ノエル・アチソン氏は自身のニュースレター「Crypto is Macro Now」の中で述べた。

一方、年初から米ドルに対して18%下落していた日本円も回復しつつあるようだ。トンプソン氏はこの動きはジャネット・イエレン米財務長官が日本政府関係者と会談したことによるものだとしている。

また、最近のインフレ問題は原油価格や商品価格の下落により解消されるかもしれないとも述べた。

「私にとって、これらは利回りを下げ、ドル安にするための協調行動があることを明確に示すシグナルだ」と同氏は語った。

トンプソン氏は以前、流動性条件の引き締めにより、昨年春の地方銀行破綻や2022年の英国債危機に似た流動性危機が引き起こされる恐れがあると警告していた。

トム・カレラスはDLニュースの市場特派員です。ビットコインと連邦準備制度についてのヒントをお持ちですか?tcarreras@dlnews.comまでご連絡ください。