アルゼンチンでは、インフレが記録的な高水準に達し、観光客とドルが流出する中、経済危機が深刻化している。この財政危機のさなか、ハビエル・ミレイ大統領はテキサスでイーロン・マスクとちょっとしたデートをする時間を見つけた。

エキサイティングで刺激的な未来へ! pic.twitter.com/WUIqN7B2F6

— イーロン・マスク(@elonmusk)2024年4月12日

予算に優しい旅行先としてのアルゼンチンの魅力は急速に薄れつつある。昨年、アルゼンチン経済に32億ドルをもたらした観光客は、費用高騰のため、現在では他の国に目を向けている。かつては生活費の安さを武器に外国人観光客で賑わっていたアルゼンチンだが、その傾向は逆転している。

外国人は、金融不安と高騰する物価に阻まれ、以前のように空路、陸路、海路でチリに押し寄せることはなくなった。一方、消費の低迷に苦しむアルゼンチン人は、自国の経済的苦境から逃れるため、チリに渡るケースが増えている。状況は深刻で、インフレ率は昨年3月以来104%から288%と驚異的な数字にまで上昇している。

ミレイ政権下での劇的な経済変化

12月に就任して以来、ミレイ大統領の政策はアルゼンチン経済に大きな影響を与えている。同大統領は通貨を54%も大幅に切り下げ、公式為替レートと並行為替レートをかつてないほど近づけた。

この措置は経済の安定を狙ったものだが、格安旅行を求める外国人旅行者にとってアルゼンチンの魅力は低下した。モンテビデオのカラスコ・ビアヘスを管理するゴンサロ・ロドリゲス氏は、ウルグアイからの旅行予約が昨年に比べて50%減少したと報告しており、この原因はこうした財政調整にあるとしている。

外国人の関心の低下は消費者行動にも表れている。デジタル遊牧民や近隣諸国からの観光客の人気スポットであるアルゼンチンでは、買い物客が殺到したため、スーパーマーケットが制限を設けている。

ミレイが価格統制を廃止して以来、状況は劇的に変化し、米ドル建てで大幅な価格上昇につながっている。ウルグアイのカトリック大学の研究によると、コンコルディアの60種類の基本品目は現在、ウルグアイのサルトよりわずか33%安いだけであり、わずか数か月前の64%安さから大幅に下がっている。外国からの支出が減れば、昨年すでに12億ドルを超えた観光赤字がさらに拡大する可能性があり、保持できるドルを1ドルでも多く必要としている経済にとって懸念すべき傾向だ。

シスプラティナ・ツーリズモのCEO、ラウラ・レイザ氏のような旅行業者は、ブエノスアイレスへの旅行が20%減少したと指摘し、魅力的な気候とビーチを持つブラジルなど南米の他の旅行先からの競争圧力を示唆している。アルゼンチンは依然として比較的安価ではあるものの、物価上昇により短期旅行の選択肢としての魅力は低下している。

ミレイとマスクの会談:政治とビジネスの融合

ということで、先週金曜日にオースティンで行われたハビエル・ミレイとイーロン・マスクのデートは、社交的かつ政治的なイベントだった。テスラの工場で開催され、市場の自由化と官僚的障害の軽減に関する戦略的な話し合いが中心だったようだ。特に、電気自動車にとって重要な部品であるアルゼンチンのリチウム部門への投資促進を狙ったものだった。

クソの自由万歳…!!!CC: @elonmusk pic.twitter.com/bkEIvtCwpy

— ハビエル・ミレイ (@JMilei) 2024 年 4 月 12 日

デートの仲介役を務めたアルゼンチン駐米大使のヘラルド・ワーテイン氏は、この話し合いでは世界最大級のリチウム埋蔵量を誇るアルゼンチンへのテスラの投資の可能性についても触れられたと語った。強固な自由主義者であるミレイ氏は、外国投資を誘致し自身の経済政策を支援するため、積極的に世界の右翼の人物や実業家との連携を模索してきた。

ミレイ氏とマスク氏の交流は、国際的な指導者や影響力のある人々との幅広い関わりの一環である。同氏はさまざまな国際舞台で自由市場政策の擁護者という立場をとっており、ドナルド・トランプ前米大統領やブラジルのジャイル・ボルソナーロ大統領などの人物と足並みを揃えている。同政権はこうしたつながりをアルゼンチンの勝利として祝い、同国への注目と投資を呼び込もうとしている。

ミレイ氏がソーシャルメディアプラットフォーム、特にマスク氏のXで積極的に活動していることは、こうした理想に対する彼の献身を示している。同氏は最近、マスク氏とともにイスラエルへの支持を表明し、Xがブラジルで直面している規制上の課題への対応など、進行中の協力関係を強調した。