アーサー・ヘイズ氏、FRBの利下げで市場暴落の可能性を警告

BitMEXの共同創設者アーサー・ヘイズ氏は最近、シンガポールで開催されたToken2049の基調講演で、米連邦準備制度理事会による利下げの潜在的な影響についての見解を共有した。

FRBは9月18日に4年ぶりの利下げを発表すると予想されており、ヘイズ氏はそのような決定は市場の大幅な下落につながる可能性があると警告した。

同氏は、米ドルの発行と政府支出が増加している現状を考えると、FRBの利下げは「とてつもない間違い」であるとして批判した。ヘイズ氏は、「利下げを期待している人は多いと思うが、FRBの利下げから数日後には市場は崩壊するだろう」と述べた。

ヘイズ氏によれば、50ベーシスポイントから75ベーシスポイントの範囲で予想される利下げは、米ドルと日本円の金利差を縮小させることで、市場下落を引き起こす可能性が高いという。

同氏は、最近の円安(約14日間で162円から142円前後まで)に触れ、これが「ほぼ小規模な金融崩壊」を引き起こしたと示唆し、「金融ストレスの再来となるだろう」と警告した。

ヘイズ氏は、利下げによってこの金利差が縮小する可能性があると予想しており、それが市場に懸念すべき影響を及ぼすと考えている。

ヘイズ氏は仮想通貨投資について議論する中で、デジタル資産に対する競合要因として財務省短期証券(T-bill)の利回りを強調した。同氏は、多くの仮想通貨の利回りがT-billに近いかそれ以下であり、投資家はより安全な選択肢を検討するよう促していると指摘した。

ヘイズ氏は、イーサ、イーサナ、ペンドルを大量に保有していると述べ、イーサはビットコインに比べてパフォーマンスが低いと指摘した。

同氏はイーサリアムを「インターネット債券」と表現し、利回りは約4%で現在は米国債より低い水準にあるとしている。ヘイズ氏は、利回りが大幅に低下すればイーサリアムへの関心が再燃し、強気相場が再燃する可能性があると考えている。