ポイント72アセット・マネジメントのストラテジスト兼エコノミスト、ソフィア・ドロソス氏は、米連邦準備理事会(FRB)が借り入れコストの引き下げに着手し始め、世界の他の地域の経済状況が楽観的な兆しを見せているため、ドルは下落傾向に入っていると述べた。

米連邦準備理事会(FRB)による利下げ見通しがドルの重しとなり、8月は今年最悪の月となった。

米ドル指数は8月に下落を加速した

ドロソス氏はニューヨークでのインタビューで、ドル安が続くことで世界のすべての主要通貨が恩恵を受け、ユーロとブラジルレアルが最大の勝ち手になると予想していると述べた。

同氏は「これ(連邦準備理事会の利下げ)はドル安の新たな傾向の始まりだ」と述べ、「FRBが利下げを開始し、他の中央銀行も利下げを行うことで、世界経済の成長見通しはより強まるだろう」と述べた。 」

ドロソス氏の見解は、ドルの方向性を巡ってストラテジストの間で意見の相違が増大していることを浮き彫りにしている。世界経済の減速を受けて各国中央銀行は国内成長促進のため利下げ加速を余儀なくされており、米連邦準備理事会(FRB)が利下げした後もドル高が続くと予想する人もいる。

ただドロッソス氏は、ECBが市場予想よりも緩やかな利下げを行うことで、ユーロにプラスになると予想している。

またブラジルでは政策当局者が水曜日に利上げを開始すると予想されており、これによりレアルが押し上げられるはずだ。さらに、ドロソス氏は、今年の暴落の後、レアルは現在割安に見えると指摘した。

一方、ドロソス氏は、抜本的な司法改革の可決により、メキシコペソの見通しは「困難」になったと述べた。

トレーダーらは、米国の消費者の回復力を示す小売売上高統計の8回の予想外の上昇を受けて、連邦準備理事会が4分の1ポイント利下げで金融緩和サイクルを開始するのか、それともさらなる利下げを選択するのかを依然として議論している。

これに対しドロッソス氏は、多くの投資家がすでにより積極的な利下げを織り込んでいることから、FRBは小幅な利下げを選択すると予想しており、そうなると市場からの反射的な反応を引き起こす可能性がある。

記事の転送元: Golden Ten Data