テザーは、新規採用を通じてステーブルコインの使用に関する透明性を高めることを計画している。

7月15日の発表によると、チェイナリシスの元チーフエコノミスト、フィリップ・グラッドウェル氏が同社の経済責任者に任命された。グラッドウェル氏は、テザーのUSDT使用状況を定量化し、規制当局や利害関係者に伝える責任を担う。

ブロックチェーン分析会社チェイナリシスで6年間勤務した後、グラッドウェル氏は今後、世界中のUSDTデータを調査することになる。2017年以来、USDTの1日あたりの取引量は数十億ドルに上る。メサーリのデータによると、過去24時間のステーブルコインの取引量は322億3000万ドルだった。

「多くの人々は依然としてデジタル資産を謎とみなしているが、これは業界が実用例よりも技術に重点を置いていることが一因だ」とグラッドウェル氏は声明で述べ、テザーでの目標は「この会話を、デジタル資産が実体経済でどのように使用されているか、そしてUSDTがドルの覇権をどのように支えているかを理解することに向けることだ」と付け加えた。

米国とテザーの協力

グラッドウェル氏の任務には、特に米国の規制当局との交渉が含まれる。テザーと米国の連邦政府機関との関係は、協力と監視が混在しているのが特徴だ。

2021年2月、テザーとその姉妹会社ビットフィネックスは、テザーがトークンを裏付ける法定通貨担保の額を偽っていたとの疑惑で、ニューヨーク州司法長官(NYAG)と1,850万ドルで和解した。和解の一環として、テザーは2年間にわたり準備金に関する四半期報告書を提出することに同意し、ニューヨークでの営業を禁止された。

政府との協力に向けた同社の最近の動きの1つは、連邦捜査局(FBI)をプラットフォームに組み込むことだ。3月には、テザーは米国司法省(DOJ)がホストされていないデジタルウォレットから盗まれたUSDT約140万ドルを回収するのを支援した。

テザーによれば、グラッドウェル氏は「規制当局や利害関係者とのコミュニケーションを強化する」上で重要な役割を果たすだろう。

過去数年にわたる政府による暗号通貨業界の監視により、USDT の市場シェアは拡大した。このステーブルコインは現在、市場で 69% のシェアを占めており、Circle のステーブルコイン USDC がそれに続いている。DefiLlama のデータによると、USDT の現在の時価総額は 1,120 億ドルである。

X 炎の殿堂 — ポリゴンはイーサリアムに勝つことを決して目指していなかった: アヌラグ・アルジュン