アップルは欧州連合の競争規則への懸念から、欧州での3つのAI機能の展開を延期するとブルームバーグが金曜日に報じた。同社は、iPhoneミラーリング、SharePlay画面共有、Apple IntelligenceのEUでの展開を2025年まで延期すると発表した。

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Appleは6月10日の年次開発者会議でこの3つの機能を発表した。米国で9月頃にリリースされる予定のChatGPT支援機能は、ユーザーの電話データ(メール、テキスト、写真など)を検索し、ユーザーのプロンプトに基づいて特定の情報を提供できるようになる。

アップルは遅延の原因をEUのデジタル市場法に帰す

ブルームバーグの報道によると、世界最大の時価総額を誇るアップルは、この遅れの原因をEUの厳しいデジタル市場法(DMA)にあるとしている。同社は、この規則により、自社製品のセキュリティを犠牲にせざるを得なくなるとしている。DMAは、アップルに対し、自社製品が競合製品と問題なく連携することを義務付けている。

「具体的には、DMAの相互運用性要件により、ユーザーのプライバシーとデータセキュリティを危険にさらすような形で当社製品の完全性を損なうことを余儀なくされる可能性があると懸念しています」と同社は述べた。

「当社は、EUの顧客の安全性を損なうことなくこれらの機能を提供できる解決策を見つけるために、欧州委員会と協力することに尽力しています」と付け加えた。

Apple Intelligenceは同社のAIサービススイートです。出典:Apple

報道によると、EU加盟27カ国の執行機関である欧州委員会は、アップルがEUの「公正な競争」規則を遵守する限り、欧州で事業を展開できると述べた。同社はすでに別の訴訟でDMA規則に違反したとして18億ユーロ(19億5000万ドル)の罰金に直面している。

2022年3月に開始されたDMAは、大手テクノロジー企業の反競争的行為を防止することを目的としています。DMAは、企業が自社のサービスを競合他社のサービスよりも優遇したり、ユーザーのデータをロックインしたり、広告データの使用に関する透明性を隠したりすることを阻止します。

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同社によると、同社のAIサービススイートであるApple Intelligenceの機能は、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPad、およびM1チップ以降のバージョンを搭載したMacで利用可能になるという。macOS SequoiaのiPhoneミラーリングにより、ユーザーはMacコンピューターで直接携帯電話の画面を表示したり操作したりできる。

ジェフリー・ゴーゴーによるクリプトポリタンレポート