ソフトバンクの孫正義最高経営責任者は、汎用人工知能(AGI)を信じていると語った。また、同CEOは、今後10年以内にAGIがあらゆる面で人間の知能を上回るだろうとも述べた。

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ソフトバンクワールドの企業カンファレンスで孫氏は、人間よりもはるかに賢いAIの開発を支援する計画を概説し、最も野心的な発言をした。ロイター通信によると、孫氏はさらに、人工超知能(ASI)は人間の潜在能力を1万倍も上回るだろうと付け加えた。

「AIはすでに人間の知能を超えている」

孫氏はAIについてかなり積極的に発言しており、過去には人工汎用知能(AGI)について「シンギュラリティ」という言葉をよく使って話していた。同氏は以前からテクノロジーがビジネスや社会を変革すると主張してきたが、同氏がテクノロジーの進歩のタイムラインを示したのは今回が初めてだ。同氏は次のように述べた。

「AIは人間によって作られたものなので、人間より賢くなることはできないというのは間違いだ」

同氏はまた、「AIは今や人間と同じように自己学習、自己トレーニング、自己推論を行っている」と付け加えた。孫氏は、AIはすでに特定の分野で人間の知能を超えていると指摘した。

孫氏はイベントで、人工知能の超知能というアイデアも発表した。孫氏によると、これは今後20年以内に実現されるという。この特定のレベルまたはジャンルの技術は、人間の知能の1万倍の能力を持つことになる、と孫氏は語った。

孫氏は、グループが現在、大量生産と物流のためにロボットと人工知能を組み合わせることに注力していることを強調した。ソフトバンクはまた、5月初めに英国の自動運転スタートアップ企業ワイブに10億ドルを投資した。

ソフトバンクは日本企業はAIの可能性に目覚めるべきだと言う

孫氏のテクノロジーへの投資の決断は、ソフトバンクがテクノロジー投資の巨人となるのに貢献した。CNNの報道によると、ソフトバンクはいくつかのAIスタートアップに投資し、その成果は実証されているが、その一方で、その投資の一部は期待外れで失敗に終わったという。

ソフトバンクの子会社アームは英国に本社を置く半導体設計会社。同行は第1四半期にアーム株で大きな利益を上げており、孫氏によればアームは同社のAI戦略の中心となるという。

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孫氏は新興技術について大きな主張をしている。ロイター通信は、モバイルインターネットに関する孫氏の主張は真実であることが証明されたが、モノのインターネット(IOT)に関する孫氏の予測はまだ証明されていないと伝えた。

孫氏は日本企業について、デジタル時代に遅れをとっていると述べ、半導体メーカーのアームへの信頼を改めて表明した。日本企業に対し、テクノロジーの可能性に目覚めるよう求めた。

アーム社のCEO、ルネ・ハース氏もビデオで会議に参加し、同社のエネルギー効率の高い技術を宣伝した。ハース氏は、アーム社のチップはAI技術の駆動用として非常に需要が高まるだろうと主張した。ハース氏は、AGIは自分が生きている間に実現するだろうと語り、孫氏は、10年以内に汎用人工知能が実現すると信じているのは自分だけだと語った。

クリプトポリタンのアーミル・シェイク記者によるレポート