PANewsによると、ワールドコインの競合企業で、以前3000万ドルを調達したヒューマニティ・プロトコルのCEO、テレンス・クォック氏は、15億ドルのスマートフォン会社を破産寸前まで追い込み、投資家に1億7000万ドルの損失をもたらした。クォック氏は2012年に香港に拠点を置くティンク・ラボを設立した。このユニコーン企業は、ホテル宿泊客が滞在中に使用できるスマートフォンを提供するために数億ドルを調達した。彼の目標は、ローミング料金の代替手段を提供し、ホテルでの体験を向上させ、収集した顧客の嗜好データを販売することだった。

しかし、フィナンシャルタイムズが報じたように、彼の会社は2017年に906万ポンドの赤字で運営を開始した。これは、彼の積極的な拡大政策、より安価で普及したローミング料金、ホテルが彼が提供した携帯電話の代金を支払いたがらないなど、いくつかの要因によるものと報じられている。元従業員によると、Tink Labsの投資家であるソフトバンクは、同社が「事業を維持するために日本の合弁会社から他の地域に資金を移している」ことを懸念し、そのため同社は主要プロジェクトを突然中止せざるを得なかった。伝えられるところによると、クォックは従業員や請負業者への支払いに苦労し、その年の8月1日にTink Labsを閉鎖する前に大規模なレイオフを実施した。レイオフされた従業員が会社のオックスフォードオフィスを出るときに「壁や床全体にケーキを塗りつけた」と報じられた。Tink Labsのヨーロッパ部門は2020年1月に清算を開始し、その後破産手続きに入った。ティンク・ラボの元人事部長はフィナンシャル・タイムズ紙に「長続きするとは思っていなかったが、こんなに早く閉鎖されるとは思ってもいなかった」と語った。また同氏は、クォック氏が「金儲け」だけを気にしていたともフィナンシャル・タイムズ紙に語った。

クォック氏は昨年、人の手のひらをスキャンして本人確認を行うブロックチェーンベースの本人確認会社「ヒューマニティ・プロトコル」を設立した。