グレースワン イベントとは?

グレースワン イベントとは、ブラックスワン イベント (予測不可能で、まれで、大きな影響がある) とホワイトスワン イベント (一般的で、予想される) の中間に位置する、予測可能だが起こりにくく、影響が大きい出来事を表す用語です。グレースワン イベントとは、まったく予想外ではないものの、起こりそうになく、主流ともみなされないイベントです。

グレースワン イベントの例:

2008 年の金融危機:

2008 年の世界金融危機は、グレースワン イベントの例として挙げられます。金融システムの安定性に関する警告の兆候や懸念はあったものの、広範囲にわたる崩壊は起こりそうにないと多くの人が考えていました。金融商品の複雑さと世界市場の相互接続性が危機の一因となり、重大で予期せぬ結果をもたらしました。

この場合、危機につながる要素が完全に隠されていたわけではありませんが、その深刻さと世界への影響は過小評価されていました。金融危機は、後から考えればいくつかの側面は予見可能であったものの、危機の規模が多くの人を驚かせたため、しばしば「グレースワン」イベントと呼ばれます。