📍米国の自然利子率は、インフレや失業のない均衡レベルに経済を維持する政策である中立的な金融政策に相当するが、2.5%である一方、割引率は5%を超えている。FRBの金融政策は、過去に景気後退に陥るほど引き締められている。

📍大きな疑問は、なぜこれほど引き締め的な金融政策をとっているのに、いまだに景気後退に陥らず、インフレが高止まりしているのかということだ。答えは明白だ。パンデミック中にヘリコプターマネー政策によって蓄積された余剰貯蓄が、利上げサイクルを緩和しているのだ。しかし、貯蓄が底をつく前にインフレが下がる時間はなく、そうなれば米国経済と金融システムは高金利の「魅力」を存分に感じることになるだろう。事実に基づくと、私の見解では、市場は、現在ポジティブさが優勢であるにもかかわらず、今後厳しい時期を迎えることになる。