オーストラリアの鉱業界の大富豪アンドリュー・「ツイギー」・フォレスト氏がメタに対して起こした訴訟が、西オーストラリア州地方裁判所によって取り下げられた。フォレスト氏は、メタプラットフォーム上の自身の肖像を使った詐欺的な仮想通貨広告が罪のない人々に大きな損失をもたらしたと主張した。検察は証拠不十分だと述べた。

フォーテスキュー・メタルズの会長であり、オーストラリアで2番目に裕福な人物であるフォレスト氏は、2022年2月に連邦刑法のマネーロンダリング防止条項に基づきメタに対して個人的に刑事告訴を行い、このソーシャルメディア大手が「この違法広告のサイクルから故意に利益を得ている」にもかかわらず、それを削除しなかったと主張した。訴訟を起こすには、オーストラリア司法長官の承認を得る必要があった。

フォレスト氏は2019年11月、メタのCEOマーク・ザッカーバーグ氏に宛てた公開書簡の中で、フェイスブックやインスタグラムなどを運営するメタに対し、不正な広告を削除し、自身のイメージが悪用されるのを防ぐよう要求した。

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メタ氏は12月に容疑を否認した。連邦検察局の広報担当者はロイターに対し、訴訟は証拠不十分で取り下げられたことを認めたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。ガーディアン紙に提供された声明の中で、フォレスト氏は次のように述べた。

「これは、フェイスブックがオーストラリアの法律の範疇を超えていること、勤勉なオーストラリア人が保護されていないこと、そして、責任を取らないソーシャルメディアプラットフォーム上のますます洗練された技術に騙された人々が救済されることなく、詐欺が横行し続けることを示している。」

メタの広報担当者はロイター通信に対し、「メタは自社のプラットフォーム上で詐欺が起きることを望んでおらず、今後も詐欺を防止しユーザーを守るためにたゆまぬ努力を続けていく」と語った。

アンドリュー・フォレストを映した詐欺広告。出典:Crikey

フォレスト氏は2022年6月、カリフォルニア州北部地方裁判所にメタ氏を相手取り民事訴訟を起こし、6件の罪状を挙げて「フェイスブックのセルフヘルプ広告インターフェースが詐欺師の広告開発を実質的に助けた」と主張した。メタ氏は1月にこの訴訟の却下を求める申し立てを行った。

出典: ディラン・リンドグレーン

フォレスト氏がMetaに対して訴訟を起こして以来、フォレスト氏の画像を使った詐欺は続いている。サイバートレースは2月にFacebookの広告でフォレスト氏のディープフェイク画像を発見した。

グーグルの親会社アルファベットは4月4日、同社プラットフォームから10万回以上ダウンロードされた詐欺アプリの背後にいたとして中国で2人を提訴した。

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