FRB当局者らは最近タカ派的な発言が横行しており、市場では今年利下げの必要はないのではないかとの見方が一般的だ。複数のFRB議長は、利下げの前にインフレ低下のさらなる証拠が必要だと強調し、状況を評価するためのデータを待つ用意があることを示唆した。
ミネアポリス地区連銀のニール・カシュカリ総裁は木曜日の発言で、インフレが停滞すれば、特に経済が引き続き好調であれば、FRBは今年利下げする必要がないかもしれないと述べた。同氏は、行動を起こすことを検討する前に、物価がFRBの目標である2％に向かって推移するのを見る必要があると強調した。クリーブランド地区連銀のメスター総裁も、FRBは今後数カ月以内に利下げを開始するのに必要な自信の水準に近づいているかもしれないが、インフレが再び低下するかどうかを確認するためにさらなるデータを確認したいと示唆した。
同時に、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、１月と２月のインフレ統計は予想を上回ったものの、全体的な物価上昇の鈍化傾向は変わらないとの見方を示した。同氏は総合インフレ率が目標に戻ると予想している。リッチモンド連銀のバーキン総裁も、緊縮策は景気をさらに減速させると考えており、利下げ前にインフレの軌道をより明確に理解するのに時間をかけるのが賢明だと考えている。
しかし、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、経済は依然として回復力があり、雇用の伸びも力強いものの、インフレは依然として高すぎて理想的な水準に達していないと指摘した。ダドリー元ニューヨーク連銀総裁は、今後数年間はFRB当局者が現在予想しているほど金利は低下しない可能性があり、市場は長期金利がFRBの予想よりも高くなるだろうと予想していると述べた。
この一連の発言は市場で猛反発を呼び、米国の株価指数はV字反発となり、金相場は7日ぶりに下落した。投資家は連邦準備理事会の金融政策の今後の方向性に細心の注意を払っており、投資判断の指針となるさらなるデータやシグナルを期待している。
