CoinDeskによると、カナダは小売中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発から重点を移すと発表した。カナダ銀行は、小売CBDCに関する取り組みを縮小しているものの、将来的に国民から需要があればこのアイデアを再検討する用意があると述べた。この決定は、デジタルカナダドルの実現可能性に関する長年の研究の結果である。

カナダの公共放送局であるCBCニュースは、カナダ銀行がデジタルカナダドルの構想を棚上げすることを確認したと報じた。中央銀行の公式声明は、より広範な決済システムの研究と政策策定に取り組みを向け直していることを示している。この方向転換にもかかわらず、カナダ銀行は小売CBDCの世界的な動向を引き続き監視し、関連する研究を発表する。さらに、カナダ国民がデジタルドルの可能性について意見を述べる機会も設けられる予定だ。

カナダ銀行の最新の立場は、CBDCをめぐる議論が続く中での発表であり、米国では大統領選挙の議論の話題にもなっている。連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は、米国はCBDCの推奨や採用にはほど遠いと述べ、国民がCBDCの即時導入を心配する必要はないと示唆している。

カナダ銀行の今回のアップデートは、3か月も経たないうちに発表されたスタッフディスカッションペーパーに続くもので、現金の重要性が低下する可能性があることを強調し、適切に設計されたCBDCは経済における小売公的資金の重要性を維持するのに役立つ可能性があることを示唆している。2023年末時点で、銀行はパブリックコンサルテーションペーパーに対して約9万件の回答を受け取っており、回答者の多くがプライバシーに関する懸念を表明している。