日本円は対米ドルで5か月ぶりの高値に達し、1ドル158円付近で取引されている。この円高は、新たに任命された上田和夫日本銀行総裁が金利引き上げに慎重な姿勢を取るかもしれないという市場の憶測によるものだ。金融政策界では「ハト派」として知られる上田総裁は、インフレ抑制よりも経済成長支援を優先するとみられている。このため円売りドル買いが活発化し、円安につながった。円高は、10月にドルに対して数十年ぶりの安値に落ち込んだ最近の円安から大きく転換したものだ。このセンチメントの変化は、日本銀行がこれまで予想されていたほど金融引き締めに積極的ではないかもしれないという市場の予想を反映している。