フィンボールド氏によると、仮想通貨スタートアップ企業デューン・アナリティクスの共同創業者兼CEOのフレドリック・ハーガ氏は、未実現利益税をめぐる論争のためノルウェーを去った。ハーガ氏の国外退去は、ノルウェー社会左派党のリーダー、キルスティ・ベルグスト氏のオフィスにある「恥の壁」に同氏が取り上げられた後に起きた。壁には、ハーガ氏を含むノルウェーを去った裕福なノルウェー人に関する記事が掲げられている。ベルグスト氏は、この壁が自分の仕事のモチベーションになっていると主張している。
芳賀氏は2018年にノルウェーでDune Analyticsを設立したが、当初は資金援助はなかった。同社は最終的に2020年のシードラウンドで200万ドルを確保し、続いてシリーズAとBの資金調達ラウンドでそれぞれ800万ドルと6,942万ドルを確保した。この成功により、Duneはノルウェー初のユニコーンとなった。しかし、ノルウェー政府は、Duneが調達した資金に基づき、芳賀氏に多額の未実現キャピタルゲイン税を課した。この金額は芳賀氏の年間純給与を上回っていた。芳賀氏はこの税制を批判し、実際に利益が出たときに課税されるべきだと述べた。同社の赤字体質と投資家優先株のために資金を引き出すことができなかった芳賀氏は、懸念に対する政治的対応が不十分であるとして、スイスに移転することを決めた。
ハガさんの話は、税制を理由にノルウェーの富裕層が国を離れるという、より広範な傾向の一部だ。フィナンシャル・タイムズ紙は、ビジネスリーダーたちが税制に不満を表明したため、2021年から2022年にかけてノルウェーから富裕層が流出したと報じた。ベルグストーの「恥の壁」にはハガさんのような話が含まれており、彼女はそれを面白いと思っている。ノルウェーの状況は、ビジネスリーダーたちが社会主義体制から逃げるアイン・ランドの小説「肩をすくめるアトラス」と比較されている。批評家は、ノルウェーの税制がイノベーションと富を国外に追い出していると主張しているが、政治家はこうした懸念を否定している。その結果、イノベーションと経済成長を支援する環境を求めるハガさんのような起業家にとって、スイスなどの国が魅力的な目的地になりつつある。