ノーザン・データ・グループは、仮想通貨マイニング事業のピーク・マイニングの売却を検討している。売却による収益は、人工知能と高性能コンピューティング(HPC)部門の開発に充てられる予定だ。ノーザン・データの主要株主は、ステーブルコイン発行会社のテザー社である。

市場が許せば売却

ドイツに拠点を置くノーザンデータは10月21日、ピークマイニングの売却について「本日、関係者との交渉を開始することを決定した」と発表した。関係者は特定されておらず、ノーザンデータは売却が保証されておらず、暗号通貨市場などに依存すると警告した。

Peak Miningの売却により、Northern DataにはTaigaクラウドコンピューティングとArdentデータセンター部門が残ることになる。同日中に発表された2番目の声明によると、Peak Miningの売却で得られる収益は、同社のAI製品プラットフォームへの機能とサービスの追加、データセンターの買収と開発、追加のAIグラフィック処理装置(GPU)の購入に充てられるという。

ノーザン・データ・グループの最高執行責任者ロザンヌ・キンケイド・スミス氏は次のように述べた。

「AIが産業を再構築する中、ノーザンデータはAI革命の最前線で先頭に立つことに注力しています。」

出典: ノーザンデータグループ

テザーは大きなシェアを保有している

ブルームバーグによると、テザーはノーザン・データ株の約46%を所有している。テザーは2023年9月に最初の投資を行い、2023年11月にノーザン・データに6億1000万ドルの負債ファイナンス(つまりローン)を提供した。業界誌のザ・マイナー・マグによると、テザーは7月に再びノーザン・データに投資し、2億3300万ドルの新株発行で所有権を維持した。

また7月、ノーザンデータは、2025年上半期にタイガとアーデントを米国のナスダック取引所に上場する新規株式公開を検討していることを示唆した。ノーザンデータは、ドイツのXetra取引所とミュンヘン取引所、およびトレードゲート取引所に上場されている。

ノーザン・データは第3四半期に5,900万ユーロ(6,400万ドル)の利益を上げ、そのうち5,200万ドルはAIとHPCによるものだった。ノーザン・データ・グループの創設者兼CEOであるアルーシュ・ティライナサン氏は、10月17日にこれらの結果が発表された際、「当社はAIとHPCへの野心を倍増させました」と述べた。

テザーは、マイニングの野望を実現する他の手段も持っている。CEOのパオロ・アルドイノ氏は11月に、同社がウルグアイ、パラグアイ、エルサルバドルに独自のマイニング施設を建設すると述べた。同社は5月にビットディアに投資した。

テザーは3月の声明でAI分野への進出に関心があることを表明した。

雑誌: AIはすでにビットコインよりも多くの電力を消費している可能性があり、ビットコインのマイニングを脅かす