UBSは最近、中国が1.5兆元から2兆元規模の財政刺激策を打ち出すと予測した。この予測により、国の財政にさらに多くの資金が投入され、今年中に政府が設定した約5%に近づくと予想される。

UBSの中国担当チーフエコノミスト、王涛氏は、市場の見方では景気刺激策は2兆元から10兆元の範囲に収まるはずだが、中庸なアプローチが取られる可能性もあると指摘。中国にとっては、15兆元から20兆元の財政パッケージを優先する方が有利だ。さらに、王氏は、これまでの予測に基づき、来年の財政措置は2兆元から3兆元になると予想している。

UBS中国、景気刺激策と市場の安定性を評価

王氏は、不動産市場を安定させ、価格と企業の信頼の低下を反転させるために刺激策を強化する必要があると指摘した。このアプローチは、今後2年間で約5%の成長を維持するために不可欠となるだろう。

UBSのアナリストは、今年の景気刺激策の発表は国慶節の直後か、10月18日の第3四半期経済データ発表前後になると予想している。来年の計画は12月に予定されている中央経済工作会議で最終決定される可能性があるとアナリストらは予測している。

中国株は景気刺激策への楽観論に反応

中国の半導体株は、財政刺激策開始への期待から最近上昇傾向にある。中国での刺激策発表後、市場センチメントは市場セクター全体で大幅に改善した。一部の観測筋は、国慶節の連休直後に行われるかもしれない次回の景気刺激策ではさらなる財政措置が実施される可能性があるとみている。

香港のセミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナルの株価は、金曜日に記録した29%の上昇に続き、20%上昇した。この2日間の上昇で、同社の時価総額は936億5000万香港ドル(120億6000万ドル)増加した。時価総額がはるかに低いもう1つの競合企業は華虹半導体で、木曜日から40%強上昇している。

半導体セクターの上昇は香港の市場全体の上昇に寄与し、ハンセン指数は1.4%上昇した。景気刺激策の発表以来、同指数は26%上昇している。アナリストらは、北京からの支援が期待されるとみている。