コインテレグラフによると、ボツワナ中央銀行は、同国の仮想通貨市場は未発達であり、金融の安定性に対するリスクは最小限であると評価している。それにもかかわらず、同銀行は、デジタル資産に関連する将来の潜在的なリスクを軽減するための規制措置の必要性を強調している。
中央銀行は金融安定報告書で、暗号通貨市場と金融システム全体との相互関連性が高まっており、これがシステミックリスクを引き起こす可能性があることを強調した。システミックリスクとは、金融システム内で連鎖的に発生する失敗を指し、経済の低迷につながる可能性がある。ボツワナの金融安定に対する暗号通貨の現在の影響は最小限であるが、銀行は将来の潜在的な課題に対処するための監視枠組みを確立することの重要性を強調している。ボツワナ銀行は、「国内では、暗号資産から生じるリスクは最小限であるが、この分野での継続的な不正行為は規制上の懸念を引き起こしている。したがって、規制当局は、この分野に対する効果的な監視枠組みを開発する必要がある」と述べた。
報告書はまた、ボツワナの仮想資産市場はまだ発展段階にあり、比較的未熟であるため、金融の安定性への影響は限られていると指摘した。さらに中央銀行は、金融技術によるリスクは一般的に現在は最小限だが、技術革新が現地市場でより普及するにつれて増加する可能性があると指摘した。
暗号通貨は金融の安定に直接的な脅威を与えるものではないが、ボツワナ銀行は、マネーロンダリングやテロ資金供与のためのデジタル決済手段の使用を、金融セクターに起因する国家安全保障上の最大のリスクの1つと特定した。同銀行は、「取引の匿名性を促進するデジタルプラットフォームとデジタル決済手段の進化は、金融セクターにおけるマネーロンダリングの機会をもたらす」と指摘した。金融技術の発展の複雑さにより、検出リスクを低く抑えながら、違法な資金を世界中に送金することが可能となっている。
こうした懸念に対処するため、中央銀行は規制当局に対し、仮想通貨取引所などの仮想資産サービス提供者がマネーロンダリング対策(AML)およびテロ資金供与対策(CFT)規制に準拠するよう徹底するよう求めた。また、違法行為を検出し防止するために、市場監視を強化し、法執行機関と頻繁に連携することを推奨した。