ブルームバーグによると、ヘッジファンドはより高いリターンを求めてますます仮想通貨市場に目を向けている。Kbitの創業者兼CEOのエド・トルソン氏は、仮想通貨ネイティブ市場の可能性を強調し、中央集権型仮想通貨取引所、トレーディングトークン、永久スワップ、デリバティブへのエクスポージャーが不可欠だと述べた。1億6000万ドル近くの資産を運用するKbitは、市場中立型の取引戦略を採用し、全体的な市場リスクを最小限に抑えながら、価格の上昇と下落の両方から利益を得ている。英領バージン諸島に拠点を置く同社は、マーケットメーカーとしても機能している。トルソン氏は、顧客の守秘義務を理由にファンドのパフォーマンスを明らかにしなかった。

伝統的な市場では、ヘッジファンドは資産とその先物の価格差を利用するためにベーシス取引を利用することが多い。ビットコインとイーサリアムのETFの登場により、これらのファンドはETFを購入し、CMEでビットコイン先物を空売りすることで同様の戦略を適用し始めている。トルソン氏は、このアプローチは、スポット暗号通貨の購入や永久スワップの空売りなど、ネイティブの暗号通貨商品で実行すると収益性が高くなると指摘した。永久スワップは有効期限のない先物契約で、米国以外の顧客のみが利用できる。2017年にKbitを設立する前にはシタデル・セキュリティーズのトレーディングテクノロジーディレクターを務めていたトルソン氏は、Kbitを、あらゆる資産を取引し、その量と非効率性を悪用できる定量取引会社と説明した。

トルソン氏によると、Kbit はファンダメンタルズに関係なく、約 500 種類のトークンを取引している。同社は今年、シタデルの元シニア クオンツ デベロッパーであるトーマス ジョンソン氏を主任研究エンジニアとして、また別の会社で 5 年間勤務したショーン スロッターバック氏を含む 7 名を新たに採用した。この拡大は、進化する仮想通貨市場環境で定量戦略を活用するという Kbit の取り組みを反映している。