セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁は木曜日、消費者のインフレ圧力が低下していることを示す新たな報告書に関して、ある程度の楽観的な見方を示した。

ムサレム氏は、6月の消費者物価指数(CPI)報告はインフレ抑制に向けた大きな進展を示していると述べた。しかし、中央銀行がいつ金利目標を引き下げるかという具体的な時期については言及を避けた。ムサレム氏は次のように述べた。

「6月の消費者物価指数は、インフレ低下に向けたさらなる進展を示唆している。」

この進展は、消費者が価格上昇に対してより抵抗を示している中で起こったものであり、これはインフレを2%に戻す取り組みにとって前向きな兆候である。ムサレム氏は、現在の金融政策は制限的だが、過度ではないと説明した。

アルベルト・ムサレム。クレジット: 連邦準備銀行

同氏は前回の政策会合で金利を据え置く決定を支持した。同氏によると、現在のフェデラルファンド金利の水準は適切であり、中央銀行が利下げが早すぎたり遅すぎたりして好調な雇用市場に悪影響を与えかねないリスクをバランスよく調整できるという。

「私は、委員会がインフレ率が2%に収束するという確信を強めるまでは金利を引き下げることは適切ではないという声明を支持した。」

ムサレム氏は、需要の緩和と、来年半ばか年末までにインフレが目標に達する可能性があることを示すデータを見たいと付け加えた。同氏は「われわれは良い道を進んでいる」と安心させた。

昨日発表されたCPI報告によると、インフレ率は5月の3.3%上昇から3%に低下した。CPIデータは、FRBが年末までに短期借入コストを削減できる可能性があるとの見方を強めた。

市場参加者は、この下落を現在のフェデラルファンド金利の目標範囲である5.25%から5.5%の引き下げの出発点と見ている。

上院での証言中のジェローム・パウエル氏。写真提供:ブルームバーグ

FRB当局者は、インフレの持続的な低下に対する信頼を得ることが金利引き下げの前提条件であると一貫して強調している。

水曜日、FRBのジェローム・パウエル議長は上院でこの点を改めて強調し、将来の金利政策に関して「いかなる会合の特定の日付についてもいかなるシグナルも送っていない」と述べた。

ムサレム氏は、利下げの適切な条件を見つけるには「数か月、おそらく数四半期かかる可能性がある」と説明した。一方、上院に対してパウエル氏は次のように付け加えた。

「我々はインフレ目標を掲げる中央銀行ではない。雇用の使命も負っている。そして過去40年間で最高水準にあるインフレ率の抑制にかなりの進歩を遂げてきた。」

パンデミックによる経済的打撃が和らぐ中、供給問題により世界的にインフレが急上昇し、米国では9.1%のピークに達した。FRBは2022年から2023年にかけて政策金利を11回引き上げ、インフレ率を3.3%まで引き下げることに成功した。