「ビットコインユーザーはサイコパス」という研究の誤りを暴く

最近の研究では、精神病質、ナルシシズム、マキャベリズム、サディズムなどの特定の否定的な性格特性を持つ人々が暗号通貨に惹かれると主張しています。しかし、この研究は、その弱い結果と疑問のある方法であると批判されています。

研究概要

クイーンズランド工科大学(QUT)の研究者は、主にマーケティングと広告のバックグラウンドを持ち、566人を対象に暗号通貨に関する意見を調査しました。そして、これらの意見と上記の性格特性を結び付けようとしました。

専門家の批評

心理学の専門家であるオタゴ大学のマーティン・セルボム教授は、この研究を批判している。彼は、これらの性格特性と暗号通貨への関心との関連は非常に弱く、ほとんど意味がないと述べている。

メディアセンセーション

結果は薄弱だったにもかかわらず、この研究はメディアから大きな注目を集めた。ニューヨークポスト紙の「ビットコインファンは誰のことも気にしないサイコパス」やサロンの「衝動的なサイコパスは暗号通貨が好き」といった見出しは、研究結果を誇張したものだ。

疑問のある方法

この研究では、ショート・ダーク・トライアド(SD-3)と呼ばれるテストを使用して性格特性を測定しました。テスト結果によると、参加者は精神病質とナルシシズムについては平均よりわずかに低いスコアでしたが、マキャベリズムについては平均よりわずかに高いスコアでした。

セルボム教授は、これらのテストでは性格特性の複雑さを十分に捉えていないと指摘した。また、この研究では、参加者の暗号通貨への関心と、株式や債券など他の投資への関心を比較していないとも指摘した。

研究者の背景

この研究の著者であるブレット・マーティン、ディ・ワン博士、ジュン・ヤオ、キャロリン・ストロング、ポリメロス・クリソチョウは、心理学ではなくマーケティングと広告の専門家である。このため、複雑な心理的特性を研究する能力に疑問が生じている。

結論

仮想通貨に興味を持つ人はネガティブな性格特性を持っているというこの研究の主張は説得力に欠け、メディアによって誇張されすぎている。心理学の専門家は、この研究結果は信頼性が低く、慎重に受け止めるべきだと考えている。

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